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普段、みなさんが旅行・出張・帰省などで乗る飛行機。安全に快適に目的地へお客さんを運ぶために、多くの人が業務に携わっています。航空会社ではパイロット、客室乗務員、整備士・・・、その他にも、手荷物を預かり貨物室に乗せ取り出す人、機内食や飲み物を準備する人や搭載する人、パイロットと無線交信を行う管制塔のスタッフ、いろんな人がいる。その中から特に整備士の観点からお客さんではなかなか知りえない情報を提供したいと思います。
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33章はライト(Light)である。

大きく以下の3種類に分類される。
・Exterior Light
・Interior Light
・Emergency Light

まずはExterior Lightから。

Exterior Lightは機外を照らすライト。
夜間運航の際に前方を照らす目的だけでなく
他機に存在を知らせるという目的もある。
 
この写真の翼端に注目していただきたい。
左は赤色、右は緑色のライトとなっている。

これはナビゲーションライトという名前であるが
法律で色が決まっており、夜間飛行でその飛行機が
近づいているのか遠ざかっているのかがわかる。

垂直尾翼を照らすロゴライト(Logo Light)は
エアラインの宣伝目的のために使われている。

以下、一般的に使われているExterior Lightを示す。


Interior Lightは機内を照らすライト。
Cockpit、Cabin、Cargoやその他Compartmentで
乗務や整備作業をする際に使用される。


もちろんお客さんの快適性のためにも。。。

Emergency Lightは緊急時に最後まで残るライト。
不具合などで仮に機体電源がなくなったとしても
機体バッテリーや内蔵のバッテリーで点灯し
乗員・乗客が安全に脱出できるようにする。
 
 
客室床のライトは煙がたちこめて床を這うようなときでも
ドアまでお客さんを導いてくれる。


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32章は脚(Landing Gear)。

大きく分けると以下の3つで構成される。
・前脚(NLG: Nose Landing Gear)
・主脚(MLG: Main Landing Gear)
・テールスキッド(Tail Skid)

Tail Skidは離陸時に引き起こしすぎた場合
機体後方の構造部を損傷させないようにするために
装備されている緩衝材(Damper)である。
 

写真はB777のMLGで3m以上はある。


Landing Gearは着陸時の衝撃に耐えられるよう
材質は高張力鋼でピストンとシリンダのような構造をしており
中にオイルと窒素ガスが封入されている。

これによりスムーズな着陸を可能にしている。

その他にもLanding Gearには様々な機能がある。

地上では機体重量を支えるため外にむき出しになっているが
上空では飛行中の空気抵抗を減らすため胴体に格納されている。
 ご存知の通り、離陸直後に格納され着陸直前に展開される。
 
MLGは内側に、NLGは気流に逆らって前側に格納される。
その動力源はハイドロ(Hydraulic Power)である。
操作はCockpitにあるGear Leverにより行われる。
(間違いが起こらないよう先端がタイヤの形)


仮にそのシステムに不具合があって展開されない場合は
別の方法でロックを外し自重でLanding Gearが展開されるが
その際NLGは気流に押されて確実に展開されることになる。

Landing Gearにはブレーキ(Brake)もついており機体の制動も行う。
写真はタイヤ(Tire)を外してブレーキがむき出しになっているところ。

この動力源もハイドロが多いが、B787では電気となっている。

ブレーキは車と同じで通常のペダルによるブレーキ(Normal Brake)と
駐機中に使用するParking Brakeとがある。

最後にステアリング(Steering)について。
基本的に9章で説明した自走(Taxiing)時の方向転換に使用される。
操作は写真のSteering Handle (Tiller)で行う。
(車で言えばハンドル操作に当たる)

Steeringもハイドロが主流である。

その他にも細かな機能はあるが別途説明したい。


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31章は表示(Indicating)と記録(Recording)。

IndicatingはCockpitの計器類や画面、
またはそれらに関わるスイッチなどが該当する。

例えば、Pilotの頭上に配置され、エアコン、電気、
ハイドロなど各システムの操作に使うOverhead Panel。


また機体の姿勢や速度、外気の状況やナビゲーション、
各システムの状況などを示す表示画面やその操作パネル。


システムに不具合があった際、乗員にそれを通知し
必要により操作を促すWarning/Cautionについても31章になる。
 

警告(Warning)は赤で、注意(Caution)は橙で示され、
異常がない場合は緑や青や白で示されることが多い。


このような表示画面の呼び名はBoeingとAirbusで異なる。
Boeing - EICAS (Engine Indicating and Crew Alerting System)
Airbus - ECAM (Electronic Centralised Aircraft Monitor)
 
Recordingは主に飛行データ記録装置(FDR: Flight Data Recorder)を言う。
ブラックボックスと呼ばれるがオレンジの箱である。
 
航空事故の際に機体の解析に使用されるため、
1000度以上の温度に30分とか、強い衝撃(1000G)とか、
海水や燃料の中に何時間浸されても耐えられる構造である
などクリアするべき厳しい要求がある。

FDRにはバッテリーが内蔵されており
機体電源を喪失しても一定時間記録できるようになっている。


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某航空会社で整備士をやってます。
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