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普段、みなさんが旅行・出張・帰省などで乗る飛行機。安全に快適に目的地へお客さんを運ぶために、多くの人が業務に携わっています。航空会社ではパイロット、客室乗務員、整備士・・・、その他にも、手荷物を預かり貨物室に乗せ取り出す人、機内食や飲み物を準備する人や搭載する人、パイロットと無線交信を行う管制塔のスタッフ、いろんな人がいる。その中から特に整備士の観点からお客さんではなかなか知りえない情報を提供したいと思います。
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23章は通信系統(Communication)。
飛行機はいろいろなところと通信を行っている。

機体と外部の装置(地上やその他の通信局など)、
機内ではパイロットと客室乗務員、整備士(地上のみ)、乗客・・・

だからパイロットや客室乗務員による機内放送も
通信系統の一部となる。

また乗客が飛行中に楽しむことができる
音楽やビデオ放送、ゲームなども通信系統である。

最近、大手航空会社で始まったWifiもそう。

機内wifiに関しては、以下の日経パソコンの記事が参考になる。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/trend/20120824/1060864/

通信系統には主に以下の機能がある。
それぞれについては何かの機会に説明したい。

超短波通信(VHF Communication)
短波通信(HF Communication)
セルコール(SELCAL:Selective Calling)
エーカーズ(ACARS:Automatic Communications Addressing and Reporting Sysytem)
フライトインターホン(Flight Interphone)
サービスインターホン(Service Interphone)
機内放送(PA:Aassenger Address)
衛星通信(SATCOM:Satellite Communication)

では、機体と外部の装置の無線送受信はどこでやっているか?
それは機体のいたるところについているアンテナである。


電波を送受信するアンテナ通信用だけでなく航法用も含め
機種によっては30個以上あるようだ。
(送信用と受信用が別々にあるものもある)

気象レーダー(Weather Radar)
ローカライザー(Localizer)
グライドスロープ(Glide Slope)
ATCトランスポンダー(Transponder)
距離測定装置(DME:Distance Measuring Equipment)
電波高度計(Radio Altimeter)
方向探知機(ADF:Automatic Direction Finder)
マーカービーコン(Marker Beacon)
VHF通信
HF通信
VOR(VHF Omni Directional Radio Range)
衛星通信(SATCOM)
TCAS(Traffic Collision Avoidance System)
GPS(Global Positioning System)
Wifi

最後に23章で一つだけ通信系統っぽくない物体がある。
それがスタティックディスチャージャー(Static Discharger)。


写真のようにWingの先端や、ElevatorやRudderなどに多数ある。

飛行機は飛行する際、空気などとの摩擦で静電気を生じる。
やがて静電気は蓄積されあるレベルを超えるとコロナ放電が発生する。
(冬の乾燥した日にビリッとするイメージ)

これが無線通信を阻害するため
Static Dischargerによってチョロチョロと放電している。

離着陸中に電波を発する電子機器をOffにしなさいと言われるが
これも目的としては同様である。


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