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45章はCentral Maintenance System (CMS)である。
要は整備の中枢となるシステム。
飛行機には様々なコンピューターやセンサーが
いたるところに搭載されており
それらの信号やデータが
整備用のコンピューターに集められる。
その整備用のコンピューターは一般に
Central Maintenance Computer (CMC)という。
整備士はその情報を有効に活用して
故障探求(トラブルシューティング)や
予防整備などに役立てることができる。
仮に飛行中に何か不具合が発生した場合、
瞬時に関連系統のセンサーが不具合を感知し
(例えば空調系統のオーバーヒートなど)
パイロットに異常を知らせ必要な処置がとられる。
このあたりは31章で勉強した。
それと同時に同様の情報がCMCにも伝達され
整備用の情報として記録される。
飛行機が目的に到着後、整備士がCMCを確認し
何が原因で不具合が発生したかなどの故障探求情報や
修理持ち越しに関する情報を入手することができる。
修理持ち越しとはそこでは修理せずに
修理をキャリーオーバーすること。
基本的に飛行機は不具合がすべて修正された
完全な状態で飛ばないといけないことになっているが
部品がなかったり修理に時間を要する場合など
安全性は確保されたことを前提に修理持ち越しができる。
このあたりのルールはまた別の機会に。
CMCの情報は飛行機到着後に確認すると書いたが
近年増加しているローコストキャリア(LCC)の場合
便と便の間の時間は30分程度しかないときもある。
そんなときに飛行機到着後に故障情報を確認し
部品を用意して交換を行い健全性の確認を実施し
次便を出すのは難しい場合もある。
近年のトレンドとしては23章で勉強したエーカーズ
Aircraft Communication Addressing and Reporting System (ACARS)
の機能を使って飛行中に発生した故障情報を
即座に地上に無線送信できる機種も増えている。
↓ボーイングのイメージ図
この機能を使えば飛行中に故障情報が地上に送られるので
整備士は飛行機が到着する前に準備をすることができる。
またCMCには予防整備にも役立てることができると書いたが
そのあたりはまた別の機会に説明したい。
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