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普段、みなさんが旅行・出張・帰省などで乗る飛行機。安全に快適に目的地へお客さんを運ぶために、多くの人が業務に携わっています。航空会社ではパイロット、客室乗務員、整備士・・・、その他にも、手荷物を預かり貨物室に乗せ取り出す人、機内食や飲み物を準備する人や搭載する人、パイロットと無線交信を行う管制塔のスタッフ、いろんな人がいる。その中から特に整備士の観点からお客さんではなかなか知りえない情報を提供したいと思います。
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26章は防火系統(Fire Protection System)。

防火系統は大きく二つの機能に分けられる。
・火災検知(Fire Detection System)
・火災消化(FIre Extinguishing System)

まずはFire Detection Systemから。

エンジンやAPU、貨物室(Cargo)などに装備された
センサー(Fire/Smoke Detector)で火災や煙を検知し
パイロットに警告するようになっている。
(↓Boeing Aero Magazineより)
 

これを受けてパイロットは
コックピットで他のセンサーからの情報(Parameter)を確認し
本当に火災が発生しているかどうかの判断をする。

必要であればFire Handleを操作し、火災消化を行う。
上の写真ではFire Handleに二つの矢印がついているが
実際にエンジンには二つの消火器が準備されており
初期消火では消えなかった場合にもう一つが使われる。

Cargoにも二つの消火器が準備されている(↓写真)。
右側の消火器の下には左側にはないちょっと複雑な装置があり
これは左の消火器で完全消化できずに火が燻っている場合に
チョロチョロと長時間消化剤を出して火災の広がりを防ぐもの。


これはETOPS(双発機による長距離進出運航)にも関わってくるもので
別途機会があれば説明したい。

また客室内にも火災発生時に使用できる消火器が装備されている。
トイレ(Lavatory)には煙探知機(Smoke Detector)が装備されているのと

ゴミ箱の中に小さな消火器も隠されている。

トイレで乗客がタバコに火をつけると警報システムが作動するが
びっくりした乗客が慌ててゴミ箱にそのタバコを捨ててしまう。
そんな時にゴミ箱の中の熱に反応して消火器が作動する。
(これは1つのシナリオです)

で、このゴミ箱にはもう一つルール(Regulation)があって
ゴミ箱の入れるところ(Waste Flap/↓写真右)は密閉されるタイプ。


つまりゴミ箱内で火災が発生した場合に
密閉して外部から酸素が入ってこないようにしている。

従ってこのWaste Flapはスプリング力で閉じるでしょ。
たまにゴミが引っかかって開いていますが・・・。


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