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普段、みなさんが旅行・出張・帰省などで乗る飛行機。安全に快適に目的地へお客さんを運ぶために、多くの人が業務に携わっています。航空会社ではパイロット、客室乗務員、整備士・・・、その他にも、手荷物を預かり貨物室に乗せ取り出す人、機内食や飲み物を準備する人や搭載する人、パイロットと無線交信を行う管制塔のスタッフ、いろんな人がいる。その中から特に整備士の観点からお客さんではなかなか知りえない情報を提供したいと思います。
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 36章は高圧空気(Pneumatic:ニューマティック)。

目的としては主に以下がある。

・エンジン始動(Engine Starting)
・空調系統(AIr Conditioning)
・防除氷(Anti-ice/De-ice)
・水系統の加圧など

ここは機種によって様々で
ボーイングB787には高圧空気系統はない。

ではどこから高圧空気を得るかというと
以下の3つがある。

・エンジンの抽気(Engine Bleed Air)
・APUの抽気(APU Bleed Air)
・地上設備(Ground Support Equipment:GSE)

システム概要図を示す。


エンジンやAPUでは外部から空気を取り入れて
圧縮機(Compressor)で空気は圧縮される。
その際同時に温度が上昇する。

その高温高圧となった空気を一部抽出して
高圧空気系統に使われるというわけ。

本来エンジンは高温高圧となった空気を
爆発させることで飛行機の推進力を得ている。

その高温高圧の空気を抽出するわけだから
エンジンの効率としては悪化してしまう。

そんなこともあってB787には
高圧空気系統は採用されなかったようだ。
その代わりに電気を使っている。

エンジン始動や空調系統用に使用される高圧空気は
息を吹きかけて風車を回すのと同じ原理で
空気の力でタービンを回して作動させる

以下の写真はAPUに何らかの不具合が生じたのか
エンジンをGSEの高圧空気を使って始動させているところ。
左の車がGSE(Air Starter Unit:ASUと呼ぶ)


うまくエンジンが始動してプッシュバックが始まった。
 
 
防除氷に関しては30章を参照いただきたい。
水系統の加圧については38章で別途説明予定。


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