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普段、みなさんが旅行・出張・帰省などで乗る飛行機。安全に快適に目的地へお客さんを運ぶために、多くの人が業務に携わっています。航空会社ではパイロット、客室乗務員、整備士・・・、その他にも、手荷物を預かり貨物室に乗せ取り出す人、機内食や飲み物を準備する人や搭載する人、パイロットと無線交信を行う管制塔のスタッフ、いろんな人がいる。その中から特に整備士の観点からお客さんではなかなか知りえない情報を提供したいと思います。
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2014年12月28日早朝にインドネシアのジャワ島東部で
消息を絶ちその後墜落が確認されたエアアジア8501便。

乗客は155人、乗員は7名が搭乗していた。
犠牲者のご冥福を心よりお祈りいたします。

▲飛行機事故にまつわる関連本▲

まだ墜落の原因は不明であるが
原因究明にはブラックボックスの発見が鍵になると報道され
ついに2015年1月11日に回収されたとのニュースがあった。

ここで言うブラックボックスとはそもそも何だろうか?

Wikiでは以下の説明がなされている。

内部の動作原理や構造を理解していなくても、
外部から見た機能や使い方のみを知っていれば
十分に得られる結果を利用する事のできる装置や機構の概念。
転じて、内部機構を見ることができないよう
密閉された機械装置を指してこう呼ぶ。

要は、テレビのリモコンのように
中の機構は複雑で技術者や一部の人にしかわからないけれども
それを知らなくてもユーザーは利用できる・・・
そんなイメージでしょうか。

航空業界におけるブラックボックスは以下の二つがある。
①操縦室音声記録装置(CVR: Cockpit Voice Recorder)
②飛行データ記録装置(FDR: Flight Data Recorder)

②については31章で説明した。
http://aircraftmaint.iku4.com/31%20indication-recording/ata%2031%E7%AB%A0%20-%20indicating%20-%20rec

ご覧の通り、色はブラックではない。

①はコックピットの音声通信やアナウンスが記録される。
②は機体の飛行状態がデータとして記録される。

従って詳細な原因究明には②が欠かせない。
例えば以下のようなデータが記録される。

・飛行中の高度
・対気速度
・機首方位
・垂直加速度(G)
・エンジンの推力
・操縦舵面の動き
・時刻(UTC)など

従ってFDRが発見されデータが復元できれば、
いつ、どこで、何が起き、その後どのような軌跡を描いて
墜落したかが解明されることとなる。

これまで、エンジンでアイシングが発生したとか
急激な上昇があったとかいろんな憶測が飛び交っているが

個人的には飛行中に雷に打たれ機体が破壊されるなど
致命的な事象が発生したのではないかと思っている。

もし何か危険な事象が発生しその後も操縦を続けれいれば
何らかの緊急信号を無線を使って地上に送信できるはず。

管制との交信を含め外部への情報送信にはいくつかの方法がある。
しかし緊急信号を受信したとのニュースは流れていない。

これは①のCVRも発見されればすべて明らかになるだろう。

いずれにしても早い原因究明と再発防止を願う。


▲航空整備士になりたいあなたに▲

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31章は表示(Indicating)と記録(Recording)。

IndicatingはCockpitの計器類や画面、
またはそれらに関わるスイッチなどが該当する。

例えば、Pilotの頭上に配置され、エアコン、電気、
ハイドロなど各システムの操作に使うOverhead Panel。


また機体の姿勢や速度、外気の状況やナビゲーション、
各システムの状況などを示す表示画面やその操作パネル。


システムに不具合があった際、乗員にそれを通知し
必要により操作を促すWarning/Cautionについても31章になる。
 

警告(Warning)は赤で、注意(Caution)は橙で示され、
異常がない場合は緑や青や白で示されることが多い。


このような表示画面の呼び名はBoeingとAirbusで異なる。
Boeing - EICAS (Engine Indicating and Crew Alerting System)
Airbus - ECAM (Electronic Centralised Aircraft Monitor)
 
Recordingは主に飛行データ記録装置(FDR: Flight Data Recorder)を言う。
ブラックボックスと呼ばれるがオレンジの箱である。
 
航空事故の際に機体の解析に使用されるため、
1000度以上の温度に30分とか、強い衝撃(1000G)とか、
海水や燃料の中に何時間浸されても耐えられる構造である
などクリアするべき厳しい要求がある。

FDRにはバッテリーが内蔵されており
機体電源を喪失しても一定時間記録できるようになっている。


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