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普段、みなさんが旅行・出張・帰省などで乗る飛行機。安全に快適に目的地へお客さんを運ぶために、多くの人が業務に携わっています。航空会社ではパイロット、客室乗務員、整備士・・・、その他にも、手荷物を預かり貨物室に乗せ取り出す人、機内食や飲み物を準備する人や搭載する人、パイロットと無線交信を行う管制塔のスタッフ、いろんな人がいる。その中から特に整備士の観点からお客さんではなかなか知りえない情報を提供したいと思います。
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先日、「ダイヤモンド」にMRJの主力を70席に・・・という記事があった。
これについて深堀りしていきたい。

まずMRJのHPにいってみると、いかに優位性があるかが紹介されている。
www.flythemrj.com/j

・最高レベルの運航経済性
・快適な客室空間
・環境に優しい機体
・高い信頼性

そしてMRJの70席モデルについてHPを読んでいると
機体スペックのところにMRJ90とMRJ70があった。



MRJ70はMRJ90に比べ、2.4mほど機軸方向の長さが短い。
つまりその分座席数も少なくなりMRJ90だと最大88席なのが
MRJ70だと最大76席となっている。

HPの新着情報を見ていて残念なのが、
MRJの開発の進捗が全然見られないこと。
2018年5月時点で以下のニュースだけです。

2017.10.30
「MRJミュージアム」の事前予約開始について
2017.09.29
「MRJミュージアム」を11月30日にグランドオープン
開発・製造の本拠地でMRJの最先端技術を体感
 
2017.06.15
MRJ、パリ郊外のル・ブルジェ空港に到着
~ 欧州初上陸、19日開催のパリ・エアショーにて展示 ~
 
2017.05.31
MRJ搭載のP&W製PurePower® Geared Turbofan™ PW1200Gエンジン 米国連邦航空局(FAA)の型式証明を取得

エンジンの型式証明は取得され、お膳立てはできていますが
機体の型式証明はいつになったら取れるのでしょうかね。

昨年まで設計変更が相次いでいたみたいですが
それに伴って配線も変更され、遅れるのは理解できます。
あと2年でMRJ90は無事に納入されるのでしょうか。

そんな状況で湧いて出てきたMRJ70のニュース・・・
この背景には何があるのでしょうか?

キーワードになるのが、「スコープクローズ(Scope Clause)」

航空会社とパイロットの労働組合の間での
労働協約の中に設けられている条項

近年、アメリカの航空業界では、アメリカン航空、
デルタ航空、ユナイテッド航空などの大手航空会社は
合併などで巨大化していっている。

それとともに大手は地方への小路線への運航には
リージョナル航空会社に運航委託をすることが多くなった。

アメリカのリージョナル航空会社で大きいのが
・スカイウエスト
・トランスステーツ
で両社ともMRJを大量に注文しているのだが
これらの航空会社は大手航空会社の運航を担っている。

大手航空会社としてはコストのかかる自社運航よりも
より安いリージョナル航空会社の運航委託を増やしたい。

当然大手はコストの安いリージョナルに委託することになるが
そうなると給料の高い大手のパイロットが溢れてくることになり
一部はリージョナルに流れていかざるを得なくなる。

それに反対するのがパイロットの労働組合で
大手航空会社と協定を結んでいる、いわゆる聖域ってこと。

▲航空整備士になりたいあなたに▲

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ニュースを見て驚いた方もいらっしゃると思われるが
今回は2018年4月17日に起こった事故について書いてみる。


▲飛行機事故にまつわる関連本▲

現地時間4月17日、サウスウエスト航空(SWA)のWN1380便、
ニューヨーク・ラガーディア発ダラス・ラブフィールド行きが
ペンシルベニア州上空を飛行中、左エンジンにトラブルが発生し、
フィラデルフィア国際空港へ緊急着陸したもの。

機種はボーイングB737-700型機。
搭載エンジンは、CFMインターナショナル製CFM56。

N1380便には乗客144人と乗員5人が搭乗。
左エンジンが約3万フィートを飛行中に爆発した模様。
この影響で乗客1人が死亡し、7人がけが。

写真で分かる通り、左エンジン前方の部品がない。
 

爆発の数秒後にエンジン部品が飛散し、左主翼近くの窓が破損。
客室の気圧高度が低下したことから、機体が高度を下げるまで、
乗客と乗員は酸素マスクを着用した。

こちらはCNNニュースで、乗客が撮影した動画であるが
酸素マスクが落ち外気にさらされ大きな騒音がするのがわかる。
乗客の中には遺書を書いている人もいたとか。

ニュースによれば、破損した窓付近に座っていた女性が
窓から上半身吸いだされたとのこと。
乗客たちは女性を客室に引き戻し、心肺蘇生を行ったが
病院に搬送後に死亡した。

当便はトラブル発生後、フィラデルフィアへ右エンジンのみで飛行した。
下の写真は「フライトレーダー24」の当便の飛行経路。


連邦航空局(FAA)と国家運輸安全委員会(NTSB)はその後、
調査チームをフィラデルフィアに派遣。
予備調査では、ファンブレードが故障していたことが判明。



最近エンジン関連のトラブルが多いように感じる。
また詳細な情報が得られたら、アップデートしていく予定。

****後日追記****
EASAとFAAは事故の3日後に緊急の耐空性改善通報を発行し
B737NGに搭載されたCFM56-7Bエンジンのファンブレードの検査を指示。

*EASA: European Aviation Safety Agency(欧州航空安全局)
*FAA: Federal Aviation Administration(アメリカ連邦航空局)

これはエンジンメーカーであるCFM(GEとSnecmaの合弁会社)の
SBに基づくものでファンブレードの超音波検査の実施を推奨している。
3万サイクル以上のエンジンは20日以内に検査をすることが必要。

*SB: Service Bulletin

NTSBによると24枚のファンブレードの1枚にハブの部分で
金属疲労によるクラックが発生した形跡が見つかった。

*NTSB: National Transportation Safety Board(国家運輸安全委員会)

CFMによると全世界で1万4千のCFM56-7Bエンジンが使用されており
検査の対象となる3万サイクル以上のエンジンは681基(うち150基は検査済)。
当該検査はエンジン1基につき約4時間かかるとのこと。

優先度は下がるが2万サイクル以上のエンジンは8月末までに検査すること、
それ以下のエンジンは2万サイクルに到達するまでに検査することが推奨され
最初の検査から3千サイクル以内に次の検査を実施しこれを繰り返す。

さらにCFMはFAA/EASA/Boeing/CFM56-7オペレーターと
緊密な連携を取っていくことを説明。
また運航阻害を最小限に留めるため技術者の派遣も行い
現場のサポートを実施している。

****日本の対応****
航空局は4月21日、CFM56-7Bエンジンを対象に耐空性改善通報を発行。
航空局は、ファン・ブレードが破損することで発動機外に破片が飛散し、
発動機及び機体の損傷に至る不具合を防止するため、既に実施した場合を除き、
繰り返し検査及び必要に応じ交換を実施することを求めた。


▲航空整備士になりたいあなたに▲

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前回は2015年に起こったキャセイパシフィックの緊急着陸について書いたが
今回は2015年に起こった一番印象に残った事故について書いてみる。

▲飛行機事故にまつわる関連本▲

それは2015年4月14日の夜に広島空港で起こったアシアナ機着陸失敗事故。
アシアナ航空162便(エアバスA320型機)で韓国の仁川国際空港から
広島空港に向かう便の着陸時に起こったもの。

当時悪天候による濃霧で視界がかなり悪かったらしい。

機体は着陸時に通常よりも低高度で滑走路に進入したため
高さ6.4mあるナビゲーション用アンテナに機体が接触。


その後、着陸の際に滑走路を逸脱して機体は反転して停止。
 

この事故により、機体の至るところが大きく破損。
エンジンカウルは脱落し中身がむき出し。


ランディングギア(脚)にはアンテナが引っかかったまま
そのまま引きずっていたためタイヤが破損。


その他にも主翼や尾翼などにも損傷があった。
機体はぬかるんだ芝生に停止したためトーイングは無理という状態。

乗員乗客合わせて81人は全員緊急脱出用スライドで脱出し
けが人はいたものの死者は出なかった。



以下、運輸安全委員会(JTSB)の報告より。

【概要】
アシアナ航空株式会社所属エアバス式A320-200型HL7762は、平成27年4月14日(火)、同社の定期162便として広島空港に進入中、所定の進入経路より低く進入し、20時05分、滑走路28手前の航空保安無線施設に衝突した後、同滑走路進入端の手前に接地した。その後、同機は滑走路上を滑走し、滑走路の南側に逸脱して、同空港の着陸帯内に停止した。
同機には、機長のほか乗務員6名、搭乗整備士1名、乗客73名の計81名が搭乗しており、うち乗客26名及び客室乗務員2名の計28名が軽傷を負った。
同機は大破したが、火災は発生しなかった。

【原因】
本事故は、同機が同空港の滑走路28に着陸する際、アンダーシュートとなったため、機長が復行操作を行ったものの、同機が上昇に転ずる前に、滑走路28進入端の手前に設置された航空保安無線施設に衝突したことによるものと認められる。
同機がアンダーシュートとなったことについては、機長が、進入限界高度以下の高度において、目視物標を引き続き視認かつ識別することによる当該航空機の位置の確認ができなくなった状態で、ゴーアラウンドすることなく、降下して進入を継続したこと、及びPMとして気象状況及び操縦をモニターすべき副操縦士が、進入限界高度で滑走路が見えない状況になったとき、直ちにゴーアラウンド・コールをしなかったことによるものと考えられる。
機長が、進入限界高度以下の高度において、目視物標を引き続き視認かつ識別することによる当該航空機の位置の確認ができなくなった状態で、ゴーアラウンドすることなく、降下して進入を継続したことについては、規定及びSOPの不遵守であり、同社における規定遵守に関する教育及び訓練が不十分であったことが背景にあったと考えられる。また、副操縦士がゴーアラウンドをアサーション(主張)しなかったことについては、CRMが適切に機能していなかったことによるものと考えられる。


▲航空整備士になりたいあなたに▲

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