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普段、みなさんが旅行・出張・帰省などで乗る飛行機。安全に快適に目的地へお客さんを運ぶために、多くの人が業務に携わっています。航空会社ではパイロット、客室乗務員、整備士・・・、その他にも、手荷物を預かり貨物室に乗せ取り出す人、機内食や飲み物を準備する人や搭載する人、パイロットと無線交信を行う管制塔のスタッフ、いろんな人がいる。その中から特に整備士の観点からお客さんではなかなか知りえない情報を提供したいと思います。
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8章は機体を水平状態にするLevelingと
機体の重量を計測するWeighingから成る。

Levelingは7章で説明したJack-upで機体を持上げ
機体に取り付けた重錘(Plumb Bomb)と目盛によって



または水準器(Clinometer)によって姿勢を確認する。



その他にもやり方があり機体のマニュアルに掲載される。

ではどんな時にLevelingをするのか・・・

機体の位置や姿勢を推定するセンサーが搭載される
慣性航法装置:IRU (Inertial Reference Unit)関連部品の
交換や試験作業の際(水平状態のセットが必要)だとか

5章で説明したHard Landingの後に
機体に歪みがないかを検査するときなどに行う。

次はWeighing(重量計測)について。
写真の通り、専用Scaleの上にTireを載せたり



Jackの上に専用Load Cellを置いて機体をJack-upして
計測する方法がある。


▲航空整備士になりたいあなたに▲

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7章は機体の持上げに関連する項目。

持上げには大きく2種類あって
機体全体と脚(Landing Gear)の持上げ。

車と同じで通常時はジャッキ(Jack)を使う。

機体のJack-upは基本的に3点で行う。
左右の翼に2箇所と胴体(前方または後方)に一箇所。
(前方か後方かは機体によって決まっている)

 

また万一のために4点目以降
Support Jackを使用をする場合もある。

機体のJack-upは脚(Landing Gear)の交換や作動試験、
重整備(車と同様に約2年に1度行う定例整備)などで行う。



機体Jack-up時、部品の交換などの様々な理由で
機体の重心が大きく移動し揺れる(動く)時がある。

そんな時に機体がひっくり返らないように
写真のように機体をサポートするCradleを置くことがある。
これがShoringである。(地震対策にもなるかな。。。)
 

次はLanding GearのJack-upについて。
主にTireやBrakeを交換する際に使用される。
 
   
 
この車を見たことはありますか?
TireやTire交換に使用するToolなどを載せて
飛行機があるSpotまで運ぶ車です。



羽田空港なんかでこんな自動車が走っていたら
どこかでTire/Brake交換があるんだなと思っていい。

ところで、S1000Dでは7章は以下の定義となっている。
"Lifting, shoring, recovering and transporting"

RecoveryやTransportについては
また別途機会があれば・・・。


▲航空整備士になりたいあなたに▲

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6章は胴体や翼などの長さ(Dimension)や
基準点からの距離を示すStation Numberが掲載される。

Station Numberは機体のある部分を数値で示すため
胴体(Fuselage)、翼(Wing)、尾翼(Stabilizer)、エンジンなどに
基準点からの距離(インチやミリ)を示す番号が打たれる。

以下、Fuselage Stationの例。



ゼロ点の位置は製造時のジグの位置が多いと言われている。

Stationの使用法としては、
例えばある部分のリベットが欠損した場合、
Fuselage Station xx番 6時方向(胴体最下部) Rivet Missing

などと記録を残して申し送っていれば
次のシフトの担当者が修理してくれるようなイメージ。

その他に6章では機体をいくつかのZoneに分け
機体の位置を番号によって識別する。

Zoneの区分けは以下の通りで
100番台は前方から110番、120番と割り当てられ
さらに110番台の中で111、112・・・と識別される。
  
100 Lower Half of Fuselage
200 Upper Half of Fuselage
300 Empennage (Tail)
400 Powerplants and Nacelle Struts
500 Left Wing
600 Right Wing
700 Landing Gear and Landing Gear Doors
800 Passenger and Cargo Compartment Doors

飛行機には写真のようなAccess Panelが
いろんなところに存在するのだが
それぞれにZoneをもとにした識別番号が振ってある。



厳密に言うとZone番号+アルファベットの組合せ。
Left Wing UpperにPanelがありそこは、Zone 521のAだと
UpperだとTとなり521ATという識別番号となる。
LowerだとB、StabilizerのLeftだと321AL、RightはAR、
内側のPanelだと321AZなどとなる。

521 AT Panel A in Zone 521 Top (of the wing)
521 CB Panel C in Zone 521 Bottom (of the wing)
321 AL Panel A in Zone 321 Left side (vertical stabilizer)
321 AZ Panel Z in Zone 321 Interior (vertical stabilizer)


▲航空整備士になりたいあなたに▲

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某航空会社で整備士をやってます。
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