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ニュースを見て驚いた方もいらっしゃると思われるが
今回は2018年4月17日に起こった事故について書いてみる。
▲飛行機事故にまつわる関連本▲
現地時間4月17日、サウスウエスト航空(SWA)のWN1380便、
ニューヨーク・ラガーディア発ダラス・ラブフィールド行きが
ペンシルベニア州上空を飛行中、左エンジンにトラブルが発生し、
フィラデルフィア国際空港へ緊急着陸したもの。
機種はボーイングB737-700型機。
搭載エンジンは、CFMインターナショナル製CFM56。
N1380便には乗客144人と乗員5人が搭乗。
左エンジンが約3万フィートを飛行中に爆発した模様。
この影響で乗客1人が死亡し、7人がけが。
写真で分かる通り、左エンジン前方の部品がない。
爆発の数秒後にエンジン部品が飛散し、左主翼近くの窓が破損。
客室の気圧高度が低下したことから、機体が高度を下げるまで、
乗客と乗員は酸素マスクを着用した。
こちらはCNNニュースで、乗客が撮影した動画であるが
酸素マスクが落ち外気にさらされ大きな騒音がするのがわかる。
乗客の中には遺書を書いている人もいたとか。
ニュースによれば、破損した窓付近に座っていた女性が
窓から上半身吸いだされたとのこと。
乗客たちは女性を客室に引き戻し、心肺蘇生を行ったが
病院に搬送後に死亡した。
当便はトラブル発生後、フィラデルフィアへ右エンジンのみで飛行した。
下の写真は「フライトレーダー24」の当便の飛行経路。
連邦航空局(FAA)と国家運輸安全委員会(NTSB)はその後、
調査チームをフィラデルフィアに派遣。
予備調査では、ファンブレードが故障していたことが判明。
最近エンジン関連のトラブルが多いように感じる。
また詳細な情報が得られたら、アップデートしていく予定。
****後日追記****
EASAとFAAは事故の3日後に緊急の耐空性改善通報を発行し
B737NGに搭載されたCFM56-7Bエンジンのファンブレードの検査を指示。
*EASA: European Aviation Safety Agency(欧州航空安全局)
*FAA: Federal Aviation Administration(アメリカ連邦航空局)
これはエンジンメーカーであるCFM(GEとSnecmaの合弁会社)の
SBに基づくものでファンブレードの超音波検査の実施を推奨している。
3万サイクル以上のエンジンは20日以内に検査をすることが必要。
*SB: Service Bulletin
NTSBによると24枚のファンブレードの1枚にハブの部分で
金属疲労によるクラックが発生した形跡が見つかった。
*NTSB: National Transportation Safety Board(国家運輸安全委員会)
CFMによると全世界で1万4千のCFM56-7Bエンジンが使用されており
検査の対象となる3万サイクル以上のエンジンは681基(うち150基は検査済)。
当該検査はエンジン1基につき約4時間かかるとのこと。
優先度は下がるが2万サイクル以上のエンジンは8月末までに検査すること、
それ以下のエンジンは2万サイクルに到達するまでに検査することが推奨され
最初の検査から3千サイクル以内に次の検査を実施しこれを繰り返す。
さらにCFMはFAA/EASA/Boeing/CFM56-7オペレーターと
緊密な連携を取っていくことを説明。
また運航阻害を最小限に留めるため技術者の派遣も行い
現場のサポートを実施している。
****日本の対応****
航空局は4月21日、CFM56-7Bエンジンを対象に耐空性改善通報を発行。
航空局は、ファン・ブレードが破損することで発動機外に破片が飛散し、
発動機及び機体の損傷に至る不具合を防止するため、既に実施した場合を除き、
繰り返し検査及び必要に応じ交換を実施することを求めた。
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