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普段、みなさんが旅行・出張・帰省などで乗る飛行機。安全に快適に目的地へお客さんを運ぶために、多くの人が業務に携わっています。航空会社ではパイロット、客室乗務員、整備士・・・、その他にも、手荷物を預かり貨物室に乗せ取り出す人、機内食や飲み物を準備する人や搭載する人、パイロットと無線交信を行う管制塔のスタッフ、いろんな人がいる。その中から特に整備士の観点からお客さんではなかなか知りえない情報を提供したいと思います。
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MarkingやPlacardは機体の塗装や表示。
主に3つの目的で使用される。

①乗員・乗客・整備士などへの安全情報
②整備のための情報(Wing上の"DO NOT STEP"など)
③その他、法律などで義務付けられているもの

Placardはみなさんも機内でよく見かける
"NO SMOKING"や"RETURN TO SEAT"などの表示。


*Aero Decalsより

Placardにもいろいろなルールがあるようで
緊急時に使用するためのPlacard(例:Life Vestなど)には
英語表記とその国の言語(日本だったら日本語)で書くそうだ。

いざ、というときに英語だと理解できない人がいるから。

次に、Markingについて。

航空会社のロゴや機体記号などを含む機体塗装や
その他整備目的でもいろんなところに施されている。

ここで機体記号について触れておく。
日本の航空法では航空の用に供するためには登録が必要で
(航空機登録証明書が交付される国籍記号と登録記号が付与される)

この国籍記号と登録記号を合わせたものが機体記号である。
日本ではJAxxxxとJA(=日本国籍)+4桁の英数字で示され

主翼では右最上面・左最下面、
胴体では・・・水平尾翼(水平安定板)の前縁の直前、

などと表示位置も決められている。

この機体はA6-xxxと機体記号が記載されている。
Wikiで調べてみるとアラブ首長国連邦国籍であることがわかる。
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E4%BD%93%E8%A8%98%E5%8F%B7




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Parkingとはその名の通り、機体を停めること。
飛行機も車と同じでCockpitのブレーキ(Brake)により静止させる。

また配達中のトラックが坂道で駐車する際によく見かけるが
飛行機でも万一の時のために車輪止め(Chock)をする。



その他にも機体を駐機する長さにもよるが
脚(Landing Gear)が地上で格納されないように
ダウンロック状態を保持するためのピンを入れたり

 

雨水や埃が入り込まないように
センサー類やエンジンにカバーしたりする。



この赤いヒラヒラはストリーマ(Streamer)と呼ばれ
"REMOVE BEFORE FLIGHT"と書かれているが
運航前に整備士によって抜かれる。

では抜き忘れるとどうなるのか・・・。
上空で不具合を示す警告がコックピットで表示され
離陸後の引き返し(ATB: Air Turn Back)となる。

センサーは上空でHeatingされるものが多く
その場合は、カバーが一部溶けた状態で戻ってくる。

StoringはParkingの時間が長くなった場合を言い
Prolonged Parkingとも呼ばれる。
数日、数週間、数ヶ月停留する場合の処置。

上記のParkingの内容に加え、
湿気によりカビが生えるからシリカゲルを入れなさい・・・
みたいな要求が入ってくる。

Mooringは台風が近づいてきたときなどに
機体が動かないようにTie Downすること。



港に行くとこんな光景をよく見ると思うが
これの飛行機版といったところでしょう。
ただ、あまり大型機ではやらないと思う。

これはある空母にあったTie DownのFitting。



最後に、Return to Serviceはこれらの機体を停止した状態から
運航(Service)できる状態に戻すことを言う。


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9章はトーイングとタキシング。

トーイング(Towing)とは、地上にいる航空機を、
牽引車(Towing Vehicle)によって牽引・移動することを言う。

後ほど説明するが、タキシング(Taxiing)と異なり、
航空機自体の出力を用いない。

牽引車には航空機を接続するための、
トーバー(Towbar)と呼ばれる接続器具を装着するが、



トーバー不要の牽引車(Towbarless)もある。



主に、航空機を格納庫(Hangar)からスポット(Spot)へ
移動させたりするのに使われる。

みなさんに馴染みがあるのが
駐機したSpotから機体が自走を始めるところまで
牽引車で押していくプッシュバック(Pushback)だろう。


タキシング(Taxiing)とは航空機が自力で、
ある地点から別の地点まで走行すること。
 
ところでタキシングの動力は何でしょう?
車のように車輪の駆動力で進むわけではありません。

そう、エンジンの推力で前に進みます。



ジェットエンジンが前にある空気を吸い込み
それを後方に吐き出す力を使って進みます。

 
*IHIの用語教室より

S1000Dの9章は"Handling and maneuvering"となった。
かなり違和感あり。


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某航空会社で整備士をやってます。
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