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普段、みなさんが旅行・出張・帰省などで乗る飛行機。安全に快適に目的地へお客さんを運ぶために、多くの人が業務に携わっています。航空会社ではパイロット、客室乗務員、整備士・・・、その他にも、手荷物を預かり貨物室に乗せ取り出す人、機内食や飲み物を準備する人や搭載する人、パイロットと無線交信を行う管制塔のスタッフ、いろんな人がいる。その中から特に整備士の観点からお客さんではなかなか知りえない情報を提供したいと思います。
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前回、「ボーイング737MAXの事故について」ということで
これまで発生した事故とMCASについて書いてきた。

その後、世界的にボーイング737MAXは飛行停止となったが
ボーイング737MAXの製造は減らしたものの続いているそうだ。

ただ製造して引き渡しても飛行停止となっていれば
お客さんであるエアラインも困っちゃいますよね。

では飛行機はどうなっているのでしょうか。

ボーイング737MAXが安全な状態ではないために
飛行停止になっているということは

機体を飛ばすために必要な耐空証明が発行されないため
エアラインに納入されることはないでしょう。

現在は納入できない機体はボーイングの施設に所狭しと並んでいます。
どうもボーイング社員の駐車場を使っているようです。


YouTubeにちょうど良い動画がありましたので紹介します。
 

早くこの問題も解決してほしいものです。


▲航空整備士になりたいあなたに▲

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2017年5月に初号機が納入され、2019年春時点で
400機弱が生産されたボーイング737MAXについて。

日本ではまだ当該機を保有するエアラインはないが
2019年1月にANAが最大30機発注することを発表している。

このボーイング737MAXシリーズで2019年春時点において
2件に事故が発生し、全世界で運航停止となっている。

1件目が、2018年10月29日にインドネシアのLCC大手ライオンエア
が起こした墜落事故。



そして2件目が、2019年3月10日にエチオピア航空が起こした墜落事故。

その共通の原因が何度もニュースで聞かれたと思いますが
Maneuvering Characteristics Augmentation System
MCASと呼ばれるシステムだそうです。








▲航空整備士になりたいあなたに▲

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先日、「ダイヤモンド」にMRJの主力を70席に・・・という記事があった。
これについて深堀りしていきたい。

まずMRJのHPにいってみると、いかに優位性があるかが紹介されている。
www.flythemrj.com/j

・最高レベルの運航経済性
・快適な客室空間
・環境に優しい機体
・高い信頼性

そしてMRJの70席モデルについてHPを読んでいると
機体スペックのところにMRJ90とMRJ70があった。



MRJ70はMRJ90に比べ、2.4mほど機軸方向の長さが短い。
つまりその分座席数も少なくなりMRJ90だと最大88席なのが
MRJ70だと最大76席となっている。

HPの新着情報を見ていて残念なのが、
MRJの開発の進捗が全然見られないこと。
2018年5月時点で以下のニュースだけです。

2017.10.30
「MRJミュージアム」の事前予約開始について
2017.09.29
「MRJミュージアム」を11月30日にグランドオープン
開発・製造の本拠地でMRJの最先端技術を体感
 
2017.06.15
MRJ、パリ郊外のル・ブルジェ空港に到着
~ 欧州初上陸、19日開催のパリ・エアショーにて展示 ~
 
2017.05.31
MRJ搭載のP&W製PurePower® Geared Turbofan™ PW1200Gエンジン 米国連邦航空局(FAA)の型式証明を取得

エンジンの型式証明は取得され、お膳立てはできていますが
機体の型式証明はいつになったら取れるのでしょうかね。

昨年まで設計変更が相次いでいたみたいですが
それに伴って配線も変更され、遅れるのは理解できます。
あと2年でMRJ90は無事に納入されるのでしょうか。

そんな状況で湧いて出てきたMRJ70のニュース・・・
この背景には何があるのでしょうか?

キーワードになるのが、「スコープクローズ(Scope Clause)」

航空会社とパイロットの労働組合の間での
労働協約の中に設けられている条項

近年、アメリカの航空業界では、アメリカン航空、
デルタ航空、ユナイテッド航空などの大手航空会社は
合併などで巨大化していっている。

それとともに大手は地方への小路線への運航には
リージョナル航空会社に運航委託をすることが多くなった。

アメリカのリージョナル航空会社で大きいのが
・スカイウエスト
・トランスステーツ
で両社ともMRJを大量に注文しているのだが
これらの航空会社は大手航空会社の運航を担っている。

大手航空会社としてはコストのかかる自社運航よりも
より安いリージョナル航空会社の運航委託を増やしたい。

当然大手はコストの安いリージョナルに委託することになるが
そうなると給料の高い大手のパイロットが溢れてくることになり
一部はリージョナルに流れていかざるを得なくなる。

それに反対するのがパイロットの労働組合で
大手航空会社と協定を結んでいる、いわゆる聖域ってこと。

▲航空整備士になりたいあなたに▲

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某航空会社で整備士をやってます。
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